このため、国連の専門機関の一つである世界気象機関(WM0)では、各国の気象機関に対して船上における気象課測・通報を省力化し、データーの品質をよくするために、容易に気象報重文を作成できるパソコン用ソフトウェアや自動課測測器等の開発の推進・普及を呼びかけています。
この一環として、気象庁では、この度パソコンの表示画面と対話しつつ線測データーが入力でき、一定の品質管理を行ったうえでこれらの課測データーを自動的に船舶気象報や観測表の形式で保存したり、プリンターへ印字出力させるソフトウェアを開発しました。
開発したソフトウェアは、広く普及しているパソコンの機種に対応させる一方、外国人船員にも使用していただけるよう日本語版の他に英語版を製作しました。
このソフトウェアおよび操作マニュアルは、平成九年度から運航会社を通じて配布することを予定していますので、それに先だって省力化の具体的イメージを理解していただくためソフトウェアの概要を紹介します。
<図2>船舶からの気象観測データの流れに関する現在と今後の図

ソフトウェアの概要
この対話型船舶気象報作成ソフトウェアでは、図2の流れ図に示したように、今まで海上気象目測に関する「手引き」「符号表」「常用表」を参照にしながら船舶気象観測表に記入していたものが、パソコンの画面上の指示に従って操作すれば目測データが簡便に入力でき、同時に入力データの品質チェックも行いデータの信頼性を高めるように工夫してあります。
具体的には、パソコンの画面で詳細な通報コードの解説等を行い観測・通報に習熟していない船員でも容易にパソコンとの対話形式で電文が作成できるようにしています。
例えば比較的難しいとされる雲の観測については、図3に示すパソコンの画面の例のように、雲に関する解説と雲形図が表示され、雲形の判別を容易とするようにしています。
この他にも、自船の現在位置を世界地図上にプロットして人力ミ